報 復 戦 争 に 未 来 は な い
■殺人・殺人予告も許される報復なのか?
テレビ報道が流す殺人予告行為に関して誰もが鈍感になってしまったのだろうか、それとも、テロ行為を受けたアメリカが行う報復行為には、如何なる手段が講じられたとしても正当であると断言でき得るのだろうか?その行為が明らかに殺人であるとしても。
アフガニスタンへのアメリカ合衆国による報復戦争が行われた。10月8日(日本時間午前1時ごろ)空爆が開始されたのである。それまでの日本のマスコミ報道は、今か今かとある種の期待で胸躍らせんばかりの騒ぎ振りであった。そして、ブッシュ大統領の、容疑者と目される人物が「生きていようがいまいが身柄を確保する」という会見や、クリントン政権時には暗殺までも指示をしていたという報道が流されたのである。しかも、これらの事は、至極当然であるかのようにである。
■テロは無くなるのか?
テロによる社会変革はなし得ないという事を私たちは歴史の教訓として学んできたはずである。又、20世紀には戦争という暴力による大量破壊行為を何度も繰り返したがために、結果的には不信と対立を残し、それらの恨(ハン)が新たなテロや戦争を引き起こしているのである。私たちは、いかなる理由があろうと、罪のない生命を犠牲にするテロ行為を許す事はできないし、そして、いかなる理由であろうと何の罪もない生命を犠牲にする報復と言う名の戦争行為を許すこともできない。アメリカとイギリスの空爆によりアフガニスタンの民間人が殺戮されている様を、誤爆という説明だけで簡単に終わらそうとする態度の裏には「ニューヨークのテロでは6000人の犠牲者がでたのだ、それぐらいが何なのだ!」と言いたいのではないかと疑わざるを得ない。アフガニスタンの民衆がニューヨークのテロを行ったという明らかな証拠も提示せず、アフガニスタンの民衆であることを恨めしく思えと言わんばかりに、民間人への殺戮がこれからも繰り返されるのであろうか?この争いは決して終わりの無い泥沼へと導かれるのであろう。恨みが恨みを生み、争いが争いを生むように、又、新たなテロが生まれるかもしれない。
■テロを企てた者への
ブッシュ大統領のテロという悪に対して向けられる正義の刃は、いつのまにか、アフガニスタンを実効支配しているタリバン政権へと向けられている。現在、アフガニスタンは内戦状態ではあるが明らかに国家を形成している。アメリカのテロを撲滅しようとする行為は、今や、国家と国家の戦争へと拡大しているのである。アフガニスタンが、湾岸戦争時のイラクのように隣国のパキスタンやその他の国々を侵略したのであろうか?そして、現在、アメリカは、タリバン政権崩壊後の政権構想にまで言及するしまつである。ブッシュ政権の真の意図はどこにあるのだろうか?
6000名もの尊い生命が奪われたことに対して、先ず行わなければならない事は、テロを企てた者の摘発と適正な処罰である。そして、何故にテロを起こしたのかの原因究明でなければならないはずである。ブッシュ政権のテロを企てた者が誰であるかの証拠は、今だ具体的に提示されておらず、物証も無いまま、空爆が続けられ、地上戦まで行われている。そして、多くの血が流されている。
アメリカはまた過ちを犯しているのかもしれない。そのアメリカとともに多くの国々が共に大きな過ちを犯しているのかもしれない。そして、同盟国だとの証をたてるかのようにわが祖国の南半部でも過ちを犯しているのであろう。
アメリカはアフガニスタンへの戦争行為を即刻中止しなければならないし、韓国政府はやみくもに追随する姿勢を改め、平和的解決がなされるような自主的対応を行わなければならない。そのように願ってやまない。(韓統連大阪生野支部 金昌秀)