テ ロ と 韓 半 島
9月11日のテロ事態は、国際政治の枠組を変えてしまった。「テロ撲滅」という名の下で米国の「敵か味方」という論理が、各国の利害や思惑もあいまって対立関係にあった相手と握手し、自国の利益や国内問題に関して尊重し合うという大国の新たな協調関係が生まれつつある。その為、チェチェン問題、チベット問題、アイルランド問題など、これらの独立運動に対する大国主導の弾圧が、これまで以上に加えられていても国際的非難を浴びることはない。
日本もまた、この機に乗じて自衛隊の海外派兵を可能にするなど、世界情勢は「力の支配」が台頭しはじめている。
このような米国の論理は、韓半島にも大きな影響を及ぼしている。現在、アフガニスタン情勢が一つの大きな山を超え、米国の軍事的矛先が今後「全てのテロ支援国家に向けられるであろう」と21日のブッシュ政権の声明は、北朝鮮をテロ支援国家と規定しているために、南北関係に新たな緊張関係を作り出している。
韓国政府はテロ事件以降、国内全土に「非常警戒措置」を宣布し、米国に対し過剰なまでの忠誠心を示した。このことが、先の「第6次南北閣僚級会談」を破綻させ、今後の南北関係を不透明にしている。実は、このような韓国政府の姿勢は、3月に行なわれた韓米首脳会談でも見られた。「第2回南北首脳会談において南北平和宣言を行ないたい」と金大中政権はブッシュ政権に打診したが、ブッシュ政権はそれを容認しなかった。韓国政府は「南北の平和宣言」を棚上げにし、米国の意向に従う外交姿勢を見せたことから南北の対話が中断した。
わが国は、いつまで米国の顔色を伺いながら外交政策を取らなければならないのか!6・15南北共同宣言の精神は、何処に消えてしまったのか!自らの運命をいつまで米国の手に委ねるつもりなのか!米国の呪縛から解放されない限りわが国に未来はない。
そもそも米国がテロのターゲットにさらされているのは、戦後の誤った外交政策・世界支配政策に起因している。そのことが見直されない限り、民衆の反感をかい、米国の企業・軍事施設・政府の施設などに対するテロの危険はなくならないだろう。加えて、アジア最大の米軍事施設を持っている韓国が今後テロの対象にならないと誰がいえるだろう。
だから韓国政府は「非常警戒措置」を引いたのだと言うかもしれない。しかし、それは大きな誤りである。わが国もまた、米国の利益の為に長い間、南北の対立・分断状況を強いられ多くの民族的悲劇を味わってきた。南北の問題はわが民族の問題であり、それを解決するのはわが民族自身である。東アジアの平和を願わない者は誰もいない。時代は大きく変化している。誤った韓米関係が南北和解のブレーキになっている今こそ、韓米関係を是正し、韓国政府はわが民族の未来の為に、6・15共同宣言を履行し、南北の和解を強力に推し進めなければならない。その為にも、休戦協定を平和協定に一刻も早く変える努力を行ない、駐韓米軍の問題で苦しんでいる韓国民衆の為にも米軍の撤収を求める自主外交の姿勢を国民の前に表さなくてはならないであろう。そして、国家保安法を1日も早く撤廃し、すべての政治犯を即時釈放する事こそが民族和解への近道ではないだろうか。(了)